高校・大学・語学の海外留学で進路を支援する学習塾のネットワーク【ISC留学net】

お気軽にお問い合わせください。(ISC留学net本部)

050-3786-0602

大場代表
ISC留学net代表兼LHE取締役会長
大場 規之OBA, Noriyuki
毎月10日更新

しあわせ病

 

先日、高校1年の男子生徒のお母様からこのような話がありました。

 
「ウチの息子は自分では何もやらないんです。困っているのを見ると手を貸してしまう私もいけないんですが、結局一人で何もできない、決められない。勉強を筆頭に、やらなければいけない事にも全く手が付けられない状態です。
周りの友達はやりたいことや目標を見つけて頑張っているのに、ウチの子だけが本当にダメなんです。
褒めるとすぐ調子に乗って、偉そうなことは言うくせに行動が伴っていない。本当に情けなくて。
私は、親が子を〝褒めて育てる〟ということに疑問を感じています。メディアなどでも子どもは褒めて育てなさいと言う専門家が多く、私も気持ちとしては、息子のいいところを褒めて伸ばしてあげたいと思います。しかし、これまでの事も反省しながらよく考えてみると、子どもは褒められなくてもいいことを褒められてしまうことで、日常生活への緊張感が低下し、甘えが生まれやすくなるような気がするんです。」

 
私は、このお話を聞きながら、不謹慎ながら、なんだかとても嬉しくなりました。
なぜなら、私の日頃感じている、自分を含めた、多くの親御様が感じているであろう事を、端的にまた本心からお話し下さったからです。
そして、こうした問題意識を持った親御様のお子様ならば、近いうちに必ず立派に自立し、たくましく巣立って行けると信じているからです。

 

また、お話の中の後段の「褒めて育てる事への疑問」については、このブログの中でも過去に触れていて http://wadajuku.jp/archives/3319、同じように感じているのは私だけではないんだと、とても心強く、仲間を得た感じさえしました。

このお母さまは、自分の子どもが特別だと感じているようでしたが、実は多くの子どもたちがこうした状況なのだろうと思います。私は普段から多くの子どもと保護者に接していますが、この男子生徒のような子どもが、そうでない子どもよりも多くなってきていると感じさえしています。

昨今、子どもの貧困などの問題が新聞やテレビで話題になることがありますが、とはえい、日本に住む大多数の子どもは、欲しいものは手に入り、食べるものに困らず、好きなことができ、もし困難にぶつかったとしても、親が困難を解決してくれることも多いでしょう。また、その問題を解決できなかったとしても、暮らしてゆけなくなるなどの大きな問題になる事は少ないでしょう。

私は、子供たちが、特段の努力をしなくても(本人達は、努力をしている、苦労している、悩んでいると思ってはいるでしょうけれども・・・)、なに不自由のない生活が今後もずっと続き、平和に暮らしてゆけると、漠然と考えるようになっている症状状態を、〝しあわせ病〟と勝手に呼んでいます。

精神的な病などによって引き起こされるものなどは除き、成人になってからの引きこもりなども、こうしたしあわせ病に起因しているものがあると感じています。

皆さんはどう思われるでしょうか?
私は、こうした状態にならないように、常に親が考えた対応や環境の提供をしなければならない時代になっていると思い、その考えられる対処策を、これまでもブログで過去何回か書いてきました(ISC留学netの分も含め)。

・理不尽や不合理にみずから挑戦しようとする前向きな姿勢
・親から自立したいと思えるような、親と子の適度な緊張感
・困難を乗り越えたところに喜びがあるという事の成功体験
・自らが苦労や努力をすることで、人を思いやる心が育つこと
・自信を持ちながらも周りに支えられている事の感謝をすること

などが、キーワードになるのでしょうか。
これからも、そうした子供たちが一人でも多く育つように、働きかけをしてゆきたいと思います。
そして、冒頭のようなお母さんの気持ちを持つ親御さんが減る代わりに、自立したくましく育つ子供の自立を喜べる親御様が増える事を心から願っています。

2015.8.10
大場規之