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大場代表
ISC留学net代表兼LHE取締役会長
大場 規之OBA, Noriyuki
毎月10日更新

“展望なき教育投資”

 

これは、今日の日経新聞の経済欄に載っていた大見出しの一つです。
“財政規律”という国の財政政策に絡んでの特集コラムで、サブタイトルは“有能な人材 どう輩出”となっています。
このブログでは、政治的なことはできるだけ触れないようにしていますが、今回は少しだけ。。。

今政府や与党は、幼児教育・保育への手厚い支援(無償化など)や、高等教育の資金支援策の拡充(大学学費の出世払い制度など)に向けて検討を進め、子育て環境の整備に取り組もうとしています。

少子化の問題はとても深刻で、これらの施策によって子供を産み育てる負担が軽減されれば、親や親になろうとする人たちに対するプラスのモチベーションになることは間違いないと思います。

しかし、これらは目先の金銭的な負担軽減が主であり、子供たちが将来にわたって希望をもってたくましく生きてゆける環境づくりという点において、根本的な対策になっているかというと、私にはとてもそうは思えません。

金銭的な問題が少子化の主要因であれば、戦後の貧しい生活の中でも、親の必死の努力や苦学生と言われながら必死に勉学に取り組みながらの、貧しくとも優秀な学生が多く輩出された事は何だったのかという事になります。

世界中から“憧れの恵まれた国”の筆頭に掲げられる日本でありながら、不登校や引きこもりの問題は年々深刻化し、孤独感を感じる若者たちが自殺願望や無力感を増大させています。

政治はその国における富の再分配機能を果たすことが大きな役割ですから、前述の様な支援策をもって良しとする事もアリですが、もっと本質的な部分で、子育てや教育の在り方について、検討し対策を立ててゆくことも、政治の役割となってきているような気がします。

ところで、2016/10/10 朝日新聞では、
政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早大総長)について触れており、家庭教育について、
「家庭はプライベートな領域であり、国が家庭に介入する方向の議論にならないよう注視する必要がある」という、これまで原則となってきた“公が家庭に入り込まない”という広田照幸・日大教授(教育社会学)の主張に触れる一方、
今の子育て世代に対して「国の将来を考えると、教育を全面的に任せていいのか」という“国が家庭教育に関与する必要性”を指摘する声もある事を伝えています。

世の中のほとんどが2極化の方向に向かっているのと同様、子供たちの家庭環境も2極化しているように思います。放任されている子供もいれば、親の過干渉が問題となるような家庭もあります。また、経済的に恵まれた子供たちがたくさんいる一方で、子供の貧困の問題も深刻です。

様々な問題や課題が、子育ての中に存在する現代。
今進められている莫大な税金の投入が必要となる様々な施策が、この新聞のタイトルの様に「展望なき教育投資」にならないように切に願うばかりです。

私たちは、教育の現場に身を置く者として、親御様の教育の悩みを少しでも軽減できるように、そして、子供たちが、のびのびと、生き生きと、希望をもって生きられるように、力を尽くしてゆかなければならないと思います。政治では解決できない部分でこそ私たちの価値が発揮できると思っています。

2017.11.08
大場規之