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大場代表
ISC留学net代表兼LHE取締役会長
大場 規之OBA, Noriyuki
毎月10日更新

もう帰っておいで

 

オリンピックが終わりました。

娘の影響で真央ちゃんの隠れファン(笑)になってから、今回のオリンピックまで6年ほど彼女を見てきました。
金メダルを取ること以上の感動を与えてくれた今回の彼女のショートとフリーの演技。
残念としか言いようがなかったショートプログラムが終わった時に、私は、「もういいよ。フリーを残してもいいから、帰っておいでよ。」と心の中でつぶやいていました。彼女は十分頑張ってきたのだから、もうこれ以上苦しまなくてもいい、もう解放してあげたいという勝手な想いでした。
しかし、その翌日、彼女は全てのプレッシャーをはねのけて、最高のフリーを成し遂げたのです。日本中の多くのファンが涙を流したようです。

私は、今回の話を、留学生に重ねてしまいました。

長期の留学生が渡航して最初のころは大変なことが続きます。

英語が通じない。
ホストファミリーとのコミュニケーションがうまく取れない。
学校の授業がわからない。
これまで何でもしてくれた親がいない事の寂しさ。
食事が口に合わない。 などなど・・・

最近では、通信手段の発達で、学校から帰った生徒さんと日本の親御さんと、毎日そんな大変な話、情報交換をします。

このブログでも何度も書いてきましたが、そういった大変さこそが生徒さんの成長の源となることで、“留学道場”にいる事の証でもあるのです。私も、渡航前のカウンセリングやオリエンテーションでは、そういった大変さこそが留学の価値なんだと、生徒さんや親御さんに、頑張って耐え抜いてほしい。 と、願うようにお伝えします。

しかし、生徒さんにしても、親御様にしても、その大変さが予想以上であったり、厳しすぎたりすると、ギブアップサインが送られてきます。
それでも、何とかいろいろなサポートや忍耐で乗り越えながら厳しい留学道場を卒業してゆくのですが、本当にごくまれに・・・、当初の予定期間過ごせずに帰って来られるケースがあるのです。

そんな時、生徒さんから耳にするのは、「お母さんが帰って来なさいと言ったから」という言葉です。
私はそんな言葉を耳にすると、これまでは “やむを得ないだろう・・・” と思ってきました。

しかし、今回の真央ちゃんをみて、改めて、“帰って来なさいと” というタイミングの重大さを考えさせられました。

実際に多くの留学生が、厳しく、本当につらい日々を過ごしながら、それをギリギリのところで乗り越えて成長している姿を考えれば、親だからこそわかる、また、知っている親こそ、限度こそあれ、できる限り “頑張んなさい” というべきではないかと思ったのです。

フリーの終わった夜のNHKのオリンピック特集番組でした。
司会者が、真央ちゃんのお姉さんである浅田舞さんに、「ショートプログラムが終わった後、どんな言葉を掛けられましたか?」 という質問をしました。
その質問に、舞さんは、ゆっくりと振り返り、かみしめながら “これまでになく、本当につらそうな真央が電話の向こうにいました。 しかし、私はそんな真央にあえてカツを入れました。。。みんなから優しい言葉を掛けてもらっているだろうから。。。これまでの苦労を知っている、理解できている私だからこそできる事だと思って厳しく接しました。」 と。
その舞さんの瞳からはいくつもの涙が流れ落ちました。
本物の愛情と、そして厳しさを教えてもらったような気がしました。厳しさが与えられるからこそ、それを越えたところに喜びがあり、成長があるんだと。

私は、留学で見違えるように成長した生徒さんをたくさん見てきました。その中で、子供は本当にたくましい。と感じてきました。大人はそれを信じて見守ってあげていればよい。とも思ってきました。
今回のオリンピックで、そして、フィギュアスケートの浅田姉妹から、改めてその想いを強くしたところでです。

冒頭、私が真央ちゃんに感じた、「もう帰っておいで」と感じたのは、私の大きな間違いで、傍観者ゆえの “甘い優しさ” だったのだと。 甘い優しさは ”力” にならないのだろうと、思い知らされました。

大場規之
2014.2.25