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大場代表
ISC留学net代表兼LHE取締役会長
大場 規之OBA, Noriyuki
毎月10日更新

18歳選挙権と若者の主張

 

先日のNHK総合テレビで、選挙権が18歳に引き下げられたことを受けての特集番組が放映されました。
2時間近くの特集で、18歳の高校生・大学生・社会人のグループと、若手政治家グループが、お互いに想いを主張するというのが主な内容です。
また、その番組構成は、社会一般的に、政治家に対して抱いている疑問や不安(不信感)などについて、政治家グループが18歳グループに対して説明するというスタイルを採ったものでした。

例えば、「国会質疑で難しい言葉や専門用語を使って討議をするのは、国民や若者にあえてわかりにくくしようとしている為ではないか?」という様な投げかけを政治家グループにして、政治家グループはそれに答えるというようなものです。

2時間にも及ぶ番組ですから、政治家グループに投げかけられる質問は多岐にわたり、政治とカネの問題、選挙権が18歳に引き下げられた意味、若者の政治離れが著しい問題、など様々なテーマについて議論が交わされました。

その番組を見て、私は、
・ 「18歳で老後が不安になる」という意見が多く、厳しい社会環境で、若者たちが未来に希望を持てないという状況を改めて感じましたし、
・ 自分が18歳だった頃の若者の一般像に比べて、問題意識や主義主張のレベルが高いと、感心した面も多くありました。
・ また、断片的な情報を得る事で満足している(理解しているつもりでいる)のではないかという、心配の念もおこりましたが、これは今の若者に限らずどの時代にもあったでしょう。

全体的に、とても立派な意見が交わされている一方で、若さゆえの未熟さがあらわになるケースもありました。
もちろん、それらは、18歳という成長過程故に当然だと思いますし、それを更に歳を重ねた人間がカバーしてゆくという事で、社会が上手く成り立って行くことになります。

ただ、前述の感想以外に、全般的に主張の仕方にどうしてもしっくりしないものを多く感じました。
ちょっと表現が難しいのですが・・・“自分たちが理解できていない事はあなた方の責任だ”という、何とも受け身で、与えられる事に慣れ切っている(としか思えないような)から発せられるような、他人任せな主張が多かったことです。

例えば、18歳選挙権が与えられたことについて、
「自分たちが知らないうちに勝手に与えられた選挙権。何をどうすれば良いかきちんと説明してくれなければ選挙に関心を持てないのも当然だ。」
とか、
「Tなんとかなんとか・・・など、アルファベット3文字や(おそらくTPPの事を言っている)、難しい政治用語を使われても、何の事だかわからないからニュースなども見たくない。政治家は全ての人にわかる説明をしてほしい。」
などといったことです。

前者については、過去に普通選挙権を得る為に命を懸けて戦ってきた先人たちが聞けば、さぞやがっかりする事でしょう。
また、後者については、自分の勉強不足に関してはどう思うのでしょうか?

社会全般が、権力側の意見に対し、弱い立場の人々の意見を尊重し、評価する傾向が年々強くなっていると言って良いと思います。特にメディアではこの傾向が顕著です。
もちろん、弱きものを助ける事が政治や社会、いや、人としてのありかたですから、もちろんそれで良いのですが、みんながみんな、“自分は弱いもの”と思ってしまっている。周りが助けてくれるのが当然だ。と思ったら社会全体はどうなるでしょうか?
元気いっぱいであるはずの、18歳の若者が集まった今回の番組を見て・聞いて、“人頼み”の姿勢に憂いを感じ、考えさせられました。

2016.5.10
大場規之