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大場代表
ISC留学net代表兼LHE取締役会長
大場 規之OBA, Noriyuki
毎月10日更新

体験や経験の価値

 

今年も“NHK 夏休みこども科学電話相談”の季節となりました。
車での移動中にこの番組を聞いているときは、目的地についても車を降りたくないくらい私はこの番組を楽しみに聞いています。

まだ幼い子供が、「小鳥も笑うのか?」とか、昨年のこのブログでもご紹介した「ひこぼし や おりひめ は、人間か?宇宙人か?」といった素朴な疑問を聞くと、なんだか心が洗われるような気がします。
そして、その質問に四苦八苦しながらも、分野ごとに専門を極めた回答者の話にも感心する事ばかり。
先週の、「なんでお母さんしか子供を産まないのか?」という質問に対する答えなどは、アメーバの繁殖から、雄雌が分かれて存在する事の価値などにもふれ、正に“目からウロコ”の話でした。

そんな楽しみな番組ですが、私が20年以上も聞いている中で、最近少し気になる事があります。
それは、“実際に体験した事や経験に基づいた質問が少なくなっている”という事です。
例えば、「なんでモリアオガエルの卵は泡の中にあるのですか?」という質問も、昔はそのほとんどが、「おばあちゃんの家に行ったときに裏庭で見た」など、自分の目で見たり触ったりした体験から生ずるものが多かったものです。
ところが最近は、司会や回答者から「どこでそれを知ったの?」と聞かれると、「図鑑に載っていた」などといった、机上の知識に基づくものが増えてきているような気がするのです。

ポケモンGOにも言えるように、現在バーチャルとリアルが混在している環境がごく普通になっており、バーチャルの存在がますます大きなものになっていくはずです。
そうなると、これまでの体験や経験などのリアルの割合が相対的に低くなり、察するところ、こども科学電話相談でも、机上の学びや知識による質問が増えてゆくことでしょう。

しかし私は、リアルな体験や経験は、学びの対象となる一つの事象についての学びだけではなく、その体験や経験にたどり着くまでの課程での努力や学びなど(先のモリアオガエルの卵の話であれば、いつ頃、どんなにおいや気温の場所に、どんな大きさであったのか。その卵がある所をどのように見つけたのか。といった付随する事柄)も、子どもたちにとってはとても大きな価値であると思うのです。

子供達には、一つでも多くのリアルの体験や経験をしてもらう事を願ってやまないのです。そして親は、机上の学びもさることながら、一つでも多くの体験や経験ができる環境や機会を与えてあげる事こそが大切な役割であると思います。

話は全く別次元になりますが、
ビジネスの世界などでも、パフォーマンスや表現力が豊かな人がとても注目を浴び、政治の世界でも“劇場型の政治・政治家”がもてはやされます。どちらかというと、SNSのように個人を対象としながらもポピュリズム的な見せ方やアプローチがますます評価されるといっても過言ではありません。
それは、これまでと比較して、表面に出にくく表現されにくい経験や経験値が、評価されにくい状況であるとも思います。

子供の体験や経験が必要であることと同時に、大人社会でも、もう少し経験値が評価される社会が望ましいと思うのは私だけではないと思いますがいかがでしょうか?

2016.8.10
大場規之