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大場代表
ISC留学net代表兼LHE取締役会長
大場 規之OBA, Noriyuki
毎月10日更新

日本は人材輩出国であれ

今朝の新聞に ~日本から頭脳流出続く~ という見出しで、
「昨年12月末、内閣官房医療イノベーション推進室の中村祐輔室長が退任。4月からシカゴ大学に移籍。ヒトゲノム(全遺伝情報)研究の第一人者だったために日本にとって大きな痛手だ。・・・日本の頭脳は狙われている・・・人材育成の重要性を強調。」
という記事が載っていました。

こうした日本人の優秀な研究者や実力者が海外に出る事を “痛手” ととるかどうか。。。

20年以上前、私が、20代後半でフランスに赴任をしていた頃、あるスウェーデン人、ビヨンと友達になりました。彼とは日本とスウェーデンの文化や思想の違いについてよく話をしたものです。
その中で、日本の終身雇用について話が盛り上がったのを今でも覚えています。
当時の日本はそろそろ終身雇用も終わりと言われながらも、「日本は終身雇用の国」という見られ方が一般的でした。

「日本はなぜ終身雇用にこだわるのか?」ビヨンは私に質問しました。
私は苦し紛れに「若者を組織内で育てるところから始まる終身雇用は、企業や組織の文化を継承し、その組織や自分の担当する分野でのエキスパートになるのに良い仕組みだ」といったような答えをした記憶があります。
それに対し彼は、
「・・・それまでいた社員が抜ければ、新たな社員(中途採用)が来る。新たな社員は他で身につけた優れた技術や知識を直ぐに会社に与え貢献してくれるであろう。若手を時間をかけて育てる方法も良いが、一つの企業内の人材にこだわっていてはその会社は発達・発展しにくいのではないか。もちろん、元いた社員は他の組織に行って、それまでの知識や経験を他の組織で活かし活性化する。人材の良い循環が生まれる。スウェーデン社会は、そうした社会での人の動きこそが、人が育ち、国を発展させる事につながると常識的に思っている。」と言ったのです。

なるほど。と私は思いました。
終身雇用の良さをもちろんある訳ですが、彼の話しにも一理あるのは皆さんも認められる所でしょう。

話を前に戻すと、優秀な日本の人材流出の件。

人の流れを世界で捉えた場合、優秀な日本人が世界に出て活躍する事は素晴らしいことではないか。と私は思うのです。そうした日本人は、きっと意識の差こそあれ“日本を背負って”活躍するはずです。そうした日本人が増えれば増えるほど、世界での日本の地位は高まり、日本の価値、日本に住む人達にも必ずやプラスになるはずです。

ビヨンの話しにもつながるわけですが、一方で、そうした優秀な人材が抜けた穴を次の人材が埋める。その人は、前の人に負けないように頑張る。日本と言うフィールドで人が育ち、外に出て活躍する。
その人は、日本人、日本で生まれ育った人、海外から日本に移住をした人、日本で学んだ人、・・・どんな人でも良い。日本の環境で人が育ち巣立ってゆく。 これはまさに “世界への人材輩出国” そのものです。

東京大学が国際競争力を増す為に秋入学に移行するという話が話題です。
私は、全てを秋にしなくても、秋入学も認める。といった、まずは移行措置的制度でも良いと思いますが、方向性としてはウェルカムです。税金を海外の学生のために使うのはナンセンス・・・といった話も出ている様ですが、多くの日本人留学生も海外の大学や大学院の施設や設備の恩恵を受けているだけでなく、奨学金をもらって力を伸ばしているのですから。
この秋入学制も、人材輩出国になる為にはおそらく必須の要件になるでしょう。

日本人は優秀です。
勤勉、まじめ、熱心、教育レベルが高い、等々、私が海外に仕事で出かければ必ず、「日本人と仕事がしたい」、「日本人生徒を多く送ってほしい」といった話がでます。日本人の評価は極めて高いのです。

日本が世界から人材輩出国として認められる日が来る事は不可能なことではありません。

大場規之
2012.1.25