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大場代表
ISC留学net代表兼LHE取締役会長
大場 規之OBA, Noriyuki
毎月10日更新

「日本ではもう探せない」

 

一昨日8日の日経新聞朝刊2面に 「日本ではもう探せない」。という記事が掲載されていました。 迫真というコラムの “生かせるか 外国人材1” というシリーズものの外国人材採用に関する記事です。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47064450X00C19A7PE8000/
内容は、現在日本にいる外国人だけでは今日本が必要とする人材不足の問題が解決しない。優秀な外国人を海外で育てて(日本語もマスターさせて)日本に連れてくるしかない。というものです。

記事では、単純労働を海外人材に依存するのではなく、中核スタッフとして海外人材を迎えることで生き抜こうとする中小企業の姿が描かれています。
もう何年も前から、ファーストリテイリングや楽天などのグローバルトップ企業では優秀な海外人材への依存は当たり前でしたが、ごく一般的な町工場でもそういう状況になってきているという印象を受け、海外への人材依存もここまで来たのか・・・というのが私の正直な感想です。

日本人の若者は大丈夫だろうか・・・・・と心配になりました。

これまでの日本は、日本人を育てることで、日本の文化や技術を発展させ、世界有数の経済大国となりました。その後は、バブルを経験し、2008年のリーマンショック後遺症の中で、日本の生き残りの為に、民間企業は勿論、政治迄も日本のグローバル化を叫び、受験を変えて英語力を伸ばすことでグローバル人材の育成に本格的に乗り出そうと躍起になりました。
日本人のグローバル人材化が日本の生き残る道であると信じたのです。
2014年頃から盛んに言われるようになり、来年に迫った2020年の教育改革はその結果生まれたものです。

 
しかし実際はどうでしょうか?
教育改革の一つ、日本人の英語教育を根本から変えようと取り組んだ2020年の英語改革は、紆余曲折を経ながら、当初の理想からすれば、骨抜きになろうとしていると言っても過言ではありません。その主な原因は学校教育現場や小さな問題をつついて大きな変革ができない日本の成熟社会の問題だと思います。

つまり、日本人をグローバル人材化しようという計画は、実現がかなり怪しいものになってきているのではないかというのが私の印象です。

 
その一方で、人材不足はますます拍車がかかり、改正入管法が今年4月に施行されました。
これから、多くの外国人材が日本にやってきます。
スポーツ界でも、外国をルーツに持つ日本人の活躍が目覚ましいのは皆様もお気づきでしょう。
これからは、もっともっと人の動きが活発になり、経済のグローバル化などとは言っていられない全てのものがグローバル化してゆくのは間違いありません。

これからの日本を、海外ルーツの人材に任せてしまって良いでしょうか?
勿論、そうした人材を否定するわけでもありませんし、そうした人たちの力で日本の活力が増すのであればそれは素晴らしい事です。私個人的には、優秀な外国人に日本の活力アップにどんどん貢献してほしいと思いますし、その助けをしてゆきたいと思ってもいます。

しかし同時に、これまで日本で生まれ育ってきた日本人にも、そうした海外からの人材に伍して、共に、更に力強く生きて行ってもらいたいと思うのは私だけではないでしょう。そして、そうした人材であれば、海外に積極的に出て力を発揮することも可能です。 教育改革で目指そうとしたものをあきらめてはいけないはずです。

 

 
そんな中、先月6月26日の静岡新聞では、
「日本の高校生“内向き” ・ 4か国調査 ・ 半数近くが留学望まず」
という記事が掲載されていました。
留学をしたいと思わない高校生が48.6%で、2011年の調査よりも10ポイント以上低くなったとも触れています
同じ日の日経の記事では、
「留学に興味 高校生の51%。 日本、米中韓と比べて最低」 という見出しです。
情報源は国立青少年教育振興機構で、2018年11月に日米中韓の4ヶ国の高校生を対象に行ったものです。

さらに、昨日9日の静岡新聞の“論壇”では、
「若者の内向き志向を変えよう」というタイトルのニューヨーク大学教授の佐藤隆三氏の寄稿がされています。ここで佐藤氏は、「日本の若者の多くは、イノベーションと反骨精神に無頓着で、“リスクを取らない”のである」としています。その一方で、「大学世界ランキングで東大は42位。世界トップ10の大学に入れない若者のすべり止めとなっている。こうした若者を日本にとどめる方策を考える事こそ真の若者対策である」ともしており、内向きの学生が大半を占める中で、日本に見切りをつける若者たちも少なくない現実にも注目しています。
私も、この2極化こそ今の若者に対して、私たちが持たなければならない危機感だと思っています。

このブログでもこれまで触れてきました様に、「子供たちをグローバルで活躍できる人材に」と思う保護者が増え、その意識が変わっている事は傾向として見て取れますし、これは、2020年の教育改革の流れの中から生まれてきている改革の成果の一つといっても良いと思います。

しかし、その「子供たちをグローバル社会で生き抜ける様にしよう」という、動き全体で見ると、弱まってきているような気がしてなりません。

今後、今まで以上に、こうした動きについてウォッチしてゆかなければならないと思います。

2019.07.10
大場規之