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大場代表
ISC留学net代表兼LHE取締役会長
大場 規之OBA, Noriyuki
毎月10日更新

眠れる町の 輝く高校

今月初め、アメリカのとある田舎町にある、Wアカデミー(高校)を訪問しました。
でも、その町、“眠れる町” と控えめに表現をしましたが、本当は・・・死んでしまったかのような町なのです。特にメインストリートと名のついた商店街が。

「6車線+歩道」といった感じの、ひろ~い通りに面した商店街。1900年代前半にピークを迎えたその商店街は、昔はさぞやにぎやかだったのだろうという面影は残すものの、今は10軒中、1軒が店を開いているかどうか・・・その他はみんな空き店舗です。日本でいうところのシャッター通りです。アメリカの店舗には日本の様なシャッターが少ないので、商品の並ばないショーウィンドーが並んでいるという風景。通りの中心から前後の1キロで車が1、2台走っているだけ。人は見当たらない・・・。少なくとも、活気は遠い昔の話。ひっそりと息をしている町です。

アメリカの多くの町は、その中心となる通りの名前を、“Main Street メインストリート” とつけていますから、私は、初めて行く町では先ずは “メインストリートと名のついた通り” を探します。中心街に行けるということですから大変わかり易いものです。
しかし、今では、アメリカの田舎町は、この町に限らず、多くの町でこのような、“メインストリートでなくなってしまったメインストリート” ばかりになってきています。田舎の過疎化は日本の問題だけではない事が良くわかります。

さて、そんな中に、Wアカデミーはあります。

約350人いる生徒のほとんどは寮生活をしている。いわゆるボーディングスクールというジャンルに属する学校。
年齢は日本の中学2年から高校3年までの生徒が寝食を共にしながら学校生活を送ります。
アメリカ国内各地から約半数が、世界からの留学生が残りの半分。申し込みが多く入学を断ることも多いとか。
世界中の若者が、なぜこの町、この高校を目指して集まるのでしょうか?
Wアカデミーは、メインストリートから2ブロックほど離れたところからそのキャンパスが始まります。
そのキャンパスの境には 石造りの学校の銘板 “W Academy 1857” と、控えめながら誇らしげに据えられています。

その数字からも明らかなように、歴史は150年以上。
整備の行き届いた芝生や花壇、木々の中に、点在する教室棟、寮棟。背後には、6月だというのに頂きに雪を載せた山々。
キャンパスの周りには、実は、学校や子供たちを見守る献身的な教師たちが住まう。教師たちのほとんどが徒歩圏内に住んでいるのです。学生たちは、これが○○先生の家、あっちが◇◇先生の家・・・などと、楽しそうに紹介してくれます。
学生たちには、興味を持ったことにはとことん取り組ませてもらえる環境がそこにはあります。

15歳から初めてピアノを弾きたくなった子供でも何のためらいもなく教えてくれる音楽指導者と専用のピアノ練習室。
デジタル映像に興味のある生徒の為にはデジタル映像撮影室があり、その一方で、昔ながらのフィルム写真の現像室が足りなくなったと言って増築している・・・

授業につまずいている生徒がいれば、先生方が頼りにするのが Study Strategy Room(教育戦略室)。 どうすればその生徒がそのハードルを越えられるのか。様々な角度から、その子の為に戦略的に解決方法を見つけ出します。

「入学時の成績選考もほとんどありません。過去には多動性障害の子たちも元気に巣立っていきました。」とさらりと説明する学校関係者には、「どんな生徒さんでも、才能を伸ばし、最高の高校生活を実現させてあげられます」といった自信に満ちています。

そして、その背後には、“△△さん▽▽大学”の大きなリストが。 良く見ると、それは最近の年度の進学先リスト。進学先はハーバードを含む名門がずらり。

授業料と寮費を併せて年額500万円超。

この金額にも驚きますが、その内容のインパクトは極めて大きいものです。
この環境を手にできる人はそうそういないと思います。
金額を知ってしまうと、「教育とはどの子にも平等であるべきなのに世の中は不公平だ」とも感じてしまうほどの学校です。
でも、私がもう一度生まれなおすことができて、その環境を得られる事が万が一にでも許されるのであれば、ぜひやり直してみたい学校の一つです。

眠れる街の 輝く高校。
このギャップがなんともアメリカらしいと思います。
2013.06.25
大場規之