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大場代表
ISC留学net代表兼LHE取締役会長
大場 規之OBA, Noriyuki
毎月10日更新

懐かしの洗濯機

 

今朝、出かける前にほんの少しだけ、我が家の庭の面倒を見ていただいているご近所の庭師、キミオさんのお宅にお邪魔しました。
キミオさんのお庭を拝見している時・・・
「規之さん。このコナラがねえ今年初めてドングリの実をつけたんですよ。」
そういわれて見ると土の上に小さなドングリがいっぱい落ちていました。
「植えてから15年くらいでしょうか・・・。やっとこの地に慣れたんでしょうかねえ。。。人間は直ぐに答えを見たがるし欲しがりますが、植物の世界は10年20年という区切りでいろいろな結果が出てきます。サイクルが違いますよねエ。。。」

今日もそのあと名古屋に行かなければいけない用事があって出かけてきましたが。。。
キミオさんと話をすると、せわしなく動き回っている自分を見つめなおすことができます。
庭師ですので、木や植物の話がほとんどですが、時間軸は長いけれども季節が来ると必ず結果を出してくれる、言葉を発しない植物の成長が教えてくれること事など、いつも多くのことを学ばせていただいています。このブログでも何度か、木(植物)の成長と子育てを組み合わせて取り上げてきましたが、歳を重ねてくるとそこにある共通性や学びに気が付きます。もっと若いころに知っていれば・・・と反省しきりです。(涙)

さて本題です。今回は、この話に触れないと済まされなさそうな話題について・・・

40歳くらいの方であれば洗濯機の“渦”をご覧になられたことはあるでしょうか・・・
今は水流が見えないフタ付きの全自動洗濯機が主流で、しかも最近はドラム式ですから、洗濯物が洗濯槽の中で渦を作って洗われているところを目にすることもなく、洗濯機の渦といってもピンとこない方のほうが多いかもしれません。

私が子供のころで、洗濯機をのぞき込んで水面の泡にやっと手が届く位の歳の頃ですから、もう50年近く前のことになるでしょうか。。。
その頃は、洗濯槽にたっぷりの水を張り、その中に洗濯物を投入。コップを使って大量の粉せっけんを入れて、洗濯槽の一番下の羽のようなもの(パルセータ)の回転により、泡を立てながら洗濯物が大量の水の中で泳ぐように洗われていました。
私は毎朝その洗濯槽の中の渦や泡、水流の変化を眺めたり触ったりするのが、楽しく、来る日も来る日も眺め、感触を楽しむのが日課となっていたことを思い出しました。

なぜそんなことを思い出したかというと、
大学入試民間試験が受付開始間際で延期が決まったからです。

2013年の教育再生実行会議に始まった2020年の大学入試改革と英語改革。
今の高校2年生以下の生徒達は、「受験が変わる!英語が変わる!」とさんざん聞かされ、その変化への対応など、大きな渦の中に巻き込まれてきました。
しかも、今回の萩生田大臣による延期発表で、大きく変わる予定だったものの一つが突然変わらなくなりました。・・・渦を作って回っていたものがいきなり止まって。。。今後はどうなるのか・・・? 国会でも大もめです。

私の記憶の洗濯機は、大きな渦を作って回っていたものが、一定時間経つと、下のパルセータが急に逆回転をはじめ、その急な水流の変化につられるように、洗濯物は上下が入れ替わったり内側のものが外側に行ったり・・・無理やり起こされた逆回転で、どんでん返しをしながらも、今度は逆回転できれいな渦を作ってゆく。。。

なんだか今回のドタバタがそんな光景を思い起こさせたのです。
実は、10月31日の萩生田大臣の延期発表以降、いろいろな方から私にも意見や感想を求められてきました。そして、その中ではほとんどの方が「今回の突然の中止(延期)で・・・」といった切り出しかたでお話をしてこられました。

しかし・・・、今回の出来事は、私にはまったく突然ではなく、どのタイミングで “その時” が来るのかその時期だけが関心事なのでした。
というのも、今年7月のこのブログでも、“もはや骨抜きとなった英語改革”という表現をして、改革はもう改革でなくなったと思っていたからです。
形だけになったも同然の、この受験改革・英語改革の一つである民間試験導入が、いつどのように延期(中止)または利用されなくなっても不思議ではなかったのです。

ここでは、あえてこれらの改革がどうして骨抜きになってしまったかは詳しくは触れませんが、旧態依然とした思考や既得権が脅かされる抵抗勢力が、あるきっかけで2015年以降に発言力を増したことだと思っています。今回の騒動は、政界・経済界・教育界・そして多くの国民、とりわけ将来を担う大切な子供たちが巻き込まれた、とてもスケールが大きく、後にも尾を引く大きな事件といってもよい出来事だと思います。
今回の決断の背景となっている、地域格差の問題や、費用負担の問題など、多くの問題を抱えていた“改革”と名付けた取り組みであったのは間違いありません。
とはいえ、本質的な意味で、“10年学んでも使えない日本の英語教育を何とかしなければならない”事は多くの親世代が感じていることですし、“記憶力だけではなく、今まで以上に思考力を高め・深めた学生を育てなければならない”のも、日本の将来の為に必要なことだと思う人は多いでしょう。

萩生田大臣の発言問題などはさておき、本質的な意味で、変わらなければならないことにストップが実際にかかってしまったことは、予想していたこととはいえとても残念です。
もちろん、ここまで6年以上もかけてきたことですから、ストップがかかったといっても、これまでの改革路線でこれからの子供たちの成長や教育にとってプラスになったこともかなり多くあると思いますし、そのことはこれからの子供達にもメリットとなります。

かわいそうなのは、流れに任せるしかなかった学生たちです。抜け殻になろうとしている受験改革・英語改革という動きの中で、翻弄されてしまいました。
でも、民間英語テスト対策をした生徒たちの努力は、長い目で見ればどこかで必ず報われますから、世の中の不確実性の社会勉強ということで、プラス思考で考えれば、生徒によっては得るものがあった生徒もいると思います(というか、そのように願っています)。

そして、短期的に見れば、改革が骨抜きになったとはいえ、また、当初目指した未来の子供たちのための変革のペースが大幅に遅れたことを、やむを得ないと認めれば、英語の4技能教育や、思考力を問う教育への動き、というものは、大きなトレンドとしてこれからも生き続けてゆくはずですから、そのトレンドを、絶やさずにこれからも育ててゆくことが大切です。

そして、今願うのは、
高校2年生に代表される翻弄された子供たちが、大変な思いをしながらも、汚れやシミが洗い落とされ、清らかに、しわも伸ばされて世界に飛び立ってゆくことです。
私たちは、翻弄された子供たちのそうした巣立ちのフォローを真剣に考えなければいけないと思います。
私が昔興味を持った洗濯機・・・たとえてみると、
今回の民間英語試験導入という、渦を起こす“モーター役”の人や組織がいて、逆に、一定時間が来たら逆回転にしようとする“コントローラ役” もいる。
中には、洗濯機の電源コンセントを抜いてしまおうという人もいるかもしれない。
また、幼かった私のように、その動きを興味を持って見ているだけの人もいるかもしれません。
そして、その中には、流れに身を任せるしかない洗濯物がある。
いろいろな意味で、社会の縮図がそこにあるような気がします。
一人でも多くの心ある大人たちが、広い心で渦に巻き込まれた子供の心を受け止めること。そして、巻き込まれたとはいえ、そこで培った力や経験もあるはずです。それらを見逃さずにしっかりと将来に生かしてあげる。一人一人にしっかりと向き合い、親と子、大人と子供の信頼関係をしっかり築いて、巣立ちを助けてあげることが大切だと思います。

・・・ ついつい力が入って、また3000字を超える文章になってしまいました。スイマセン。いつも1000文字を目指すと言っているのが全く実現できていません。想いを背景も交えて短い文章で表現するのはホント難しいです。。。
3000字書いたので、12月と1月はお休み・・・というと、このブログを楽しみにしていただいている方々に申し訳ありませんし。。。(笑)
次回こそ、1000字を目指します!

2019年11月10日